探偵は儲かるか?②
探偵を依頼する人をイメージしてみて欲しい。
探偵に依頼したい人は、ほぼ全員が焦っている。
気が動転しており冷静な判断が出来ない人も多い。
緊急性に迫られており、即刻の対応が必要な方ばかりなのだ。
そうして、今置かれている状況を自分で何とかやってみたものの、埒が明かず専門家に依頼したいと思い連絡してきている。
だからこそ、他と料金等を比較して決めるなんて悠長な事を言っている暇は無く、すぐに対応してすぐに事態の解決を目指そうと強調し営業をかければ、契約が取れない方がおかしい。
契約率が悪いとすれば、余程失礼な事を言っているか、その人に共感出来ていないか、生理的に合わなかったのか、営業力が無いのだろう。
(ただ、悲しいかなほとんどの探偵社が営業力が本当に低い。
コミュニケーション能力に欠けている人間が多い職種ではあるのが起因しているのだろう。
又、依頼者の現実目線に立てておらず、想像力が乏しいのも原因である。
試しに”探偵””興信所”というキーワードで検索してホームページを閲覧して見て欲しい。
悲しいぐらいにセンスが無い。そして”低価格”とか”ハイテク機器”とか依頼者にとって本当にどうでも良い情報を並べているだけである。本当にお粗末なホームページが9,5割以上なのだ)
そして、探偵に依頼する経験を何度もしている人なんてほとんどいないので、探偵業者側から提示される金額がとても高額であったとしても、その実態が分からないので高額だとは思いつつ、それが法外であるとは思わない。
「調査費用って結構かかるのね」という感覚ぐらいで、それよりも目の前の苦痛を取り除く事を優先する。
因にこの調査費用については、お客様を見て提案する金額は変化する。
1.お金を持っていそう、余裕がありそうか?(容姿、宝飾品、バッグ、言葉使いから分かる環境の善し悪し、夫の勤務先、住所地)
2.あまり細かくなさそう(男の依頼者はほぼ全員が細かい。そんなだから妻に浮気されていると知った方が良い)
3.押しに弱そう(押されたら現金を持っていなくても、手持ちのクレジット4枚を全部限度額まで決済して調査費用にあてる人などもいるのである)
4.緊急性に迫られている(今日離婚届けを記入するように迫られ、拒んだら暴力を受けた等)
このような人に対してはとことん高額の金額から提案し(最高1,000万)、その金額で難色を示したら、少し低い金額でサービスするといってお得感を出し契約させるという手が多い。
いきなりの500万の提案と、1,000万と言われてからの500万提案であった場合、同じ500万でも後者の方がお得に感じてしまう。
そもそも調査費用なんてものは、どれだけの日数と時間を使用するかにより変動するのだが、やる前から正確な日数など分かる筈も無い。
もしかしたら1日で終わる事もあるし半年かかる事もある。
実際私も250万で受件した案件を2日で終了させたりする事がざらにある。
この点は結構知られていないが、探偵社の利益を最大限に膨らませている理由としては、この調査の早期終了というのがある。
当初、8日間(1日当たり6時間以内)で250万円という契約を行った後、その調査が初日にしっかりとした証拠撮れ愛人の素性も分かったので、調査を終了させるといった具合である。
そして余った分の費用を返金する事など無い。
だからこそ探偵社は、最初の契約でどれだけ高額金額で契約をとるのかに命をかけている。
「今のような最悪の状況を変えるには調査を行うしかない」
「あなたは人生を変えたくは無いのですか?」
パートナーとの不毛なやりとりで精神的に疲弊してしまっている人が、自分の話をしっかりと受け止め理解を示してもらい、共感してもらった上で「私に任せて下さい。あなたの将来は私たちが良くしてみせる」
と言われれば、ほとんどの人が感情を刺激され動かされるのです。